「灯火祭(ともしびさい)」
群馬のKAKASHIが2016年から毎年開催し続けている群馬県高崎市のライブハウスを会場とするDIYサーキットイベント。
2020,2021年度はコロナ禍の影響により開催を断念。
開催できなかった2年間、たくさんの人に「灯火祭やってくれ」と言ってもらった。
俺は、俺たちはその度に「ね、ほんとにね、やりたいよね」と他人事のようにお茶を濁してきた。
他のサーキットは始まってるのに、フェスだってあるのに。
それでも開催を選ぶことができなかったのは俺たち自身の力不足以外の何物でもなかった。
何よりテーマとして「ライブハウスに灯りを」と掲げているのに、万が一の有事の際に俺たちバンドでは責任を取れなくて、灯りを灯すはずのライブハウスにその責任が行ってしまうのが嫌だった。
世の中の風当たりも、状況も、ほんの少しだけ変わってきた事も受けて、各ライブハウスと相談して開催することに決めました。
いつもやらせてくれるライブハウスに心から感謝します。
「じゃあ結局のところ、有事の際にはどうすんのさ」
情けないけど、そう聞かれたら俺は「こうです」と胸を張って言える解をまだ持ち合わせていない。
だからこそ、有事が起きないように徹底的に仲間達と各ライブハウス、そして来てくれるあなたに呼びかけます。
「感染対策をお願いします」と。
サーキット形式という事もあり、各ライブハウスと、そこに行くまでの道中全てが会場という認識でいます。
街は平日とは言え暮らしが溢れていて「灯火祭なんですよ!」では当然理解は得られません。
だからマスクをして欲しいです、ダイブやモッシュ等、周りの人が悲しくなるような行動はやめて欲しいです。
気持ちは痛いくらい分かります、だからこそお願いします。
当然ながらポイ捨てや、路上でのたむろや飲酒喫煙はやめて欲しいです。
最後まで街から信頼される高崎clubFLEEZでありたいと願っています。
ずっと悲しかった。
続けていく喜びだけじゃなくて、回数を重ねていく毎に前回居たバンドが少しづつ居なくなっていたから。
今回は高崎clubFLEEZが無くなる。
バンドもライブハウスも、本当に心から、当たり前に続いていくもんだとこれだけ失くした今でさえそう思っている。
学んでいないんじゃなくて、それでもまだそう思っていたいだけなのかもしれない。
「いつか灯火祭をやれるといいなあ」
なんて思っていたからこうなったのかもしれない。
失くなっていくものばかりに目を向けていたからどんどん失くしていくのかもしれない。
俺は、周りのもの、事、全てがずっとこのままだったらいいなとよく思っていた。
それなら自分に焦りもいらないし、大切なものは大切なままだし、って。
でも同時に、現時点で失くしているものはもう二度と戻らないことの裏返しで、寂しさも悲しさもずっとそのままなんだなと気づいてからはあんまり思わなくなった。
寂しさ悲しさは乗り越えたいし、喜びはもっと大きくしたい。
その道中でまた失くすものもたくさんあって、でも同じくらい手にするものもあるはずだって。
失くしては手にしての繰り返し、本当はそれだって当たり前なんかじゃない。
でも今回は失くす前にちゃんと愛せる機会がある。
失くす事を分かっていても愛するのって馬鹿馬鹿しいですか?俺は美しいと思う。
だけど失くしたものばかり見つめてはいられないからこそ、前に進むためにも最後にやろうと思いました。
俺たちとあなたの最後の高崎clubFLEEZの記憶をこれ以上ないくらい愛しいものにしたい。
そしていつか帰ってくる、新しい高崎clubFLEEZを迎えたい。
あの場所を離れていく高崎clubFLEEZが迷わないように、俺たちと、あなたと、ライブハウスと、たくさんの仲間達と大きな灯りを灯そう。
KAKASHI pre.灯火祭2022
開催します。